法政大学大学院 グローバル化と移民問題研究所

2017年5月1日更新

研究代表者 社会学部教授 佐藤 成基
主たる研究分野 社会学、移民研究
研究概要  本研究所設立の目的はグローバル化の進展とその社会学的中心テーマである移民問題を国民国家との関係において、明らかにすることである。この30年来グ ローバル化は、それぞれの社会に政治、経済、社会、文化の諸側面での大きな変化をもたらしている。なかでも、社会、文化的側面における中心は移民問題であ る。日本社会をはじめとして、欧米諸国、アジア、アフリカ諸国のいずれにおいても、受け入れ政策から市民権の付与にいたる一連の移民政策および社会・文化 的統合問題は長年にわたる課題であり、もっとも解決の難しい政治的課題となっている。移民はそれぞれの社会において増加傾向にあり、受け入れ政策から市民 権付与までの移民政策をめぐる一連のさまざまな政策課題として国民国家レベルの対応を必要とする。社会統合の諸政策をめぐっては、そのことが国民国家に対 する挑戦ととらえられる傾向がある。日本社会において移住者数はいまだ人口の1.6%程度ときわめて小さい存在ではあるものの、参政権問題をめぐる右から の攻撃は、ヘイト・クライムという形で社会問題化しており、その出現はナショナリズムとの関係からも注目される。
本研究所では、これら移民問題を研究の中心にすえ、社会統合とその帰結をトランスナショナルな社会空間の形成という視点から実態的にとらえていく。それ ぞれの社会における移民コミュニティの実態的研究は、国民国家における社会統合政策との関連から明らかにすべき社会学的問題であり、メディア社会空間が拡 大変容する今日、21世紀における喫緊の課題といえる。
また、移民問題は、国民国家の市民権問題とも深く関わり、その存在は各国における政治的右傾化をもたらす原因としても注目されるところである。極右的な 政治動向がもたらすヘイト・クライムは日本社会においても、大きな問題となっており、政治・社会的動向が移民に与える影響は小さくない。
21世紀におけるグローバル化と移民問題研究所はこうした各国における移民をめぐるさまざまな社会問題の比較を視野に、市民権、労働、コミュニティなど を幅広く取り上げ、各国の研究者との研究交流の場としての機能も合わせもちつつ、相互に比較可能な研究を展開する。移民問題をめぐるこれら一連の研究を通 じて、日本における移民政策および社会統合への示唆を得ることにより、一定の社会的貢献をなすことができるものと考えている。
研究員
上林 千恵子 (社会学部教授)
田嶋 淳子 (社会学部教授)
吉村 真子 (社会学部教授)
岡野内 正 (社会学部教授)
特任研究員 穐山 新  (筑波大学人文社会系非常勤研究員)
明戸 隆浩 (関東学院大学非常勤講師)
岩城 邦義 (法政大学社会学部兼任講師)
吉田 公記 (法政大学社会学部兼任講師)
渋谷 淳一 (東京福祉大学国際交流センター特任講師)
長島 怜央 (法政大学法学部兼任講師)
髙橋 誠一 (法政大学社会学部兼任講師)
設置期間 2014年6月1日~2019年3月31日
設置場所 社会学部佐藤成基研究室