法政大学大学院 グローバルサステイナビリティ研究所

2017年7月3日更新

研究代表者 経済学部教授 河村 哲二
主たる研究分野 経済学・社会科学全般
研究概要 本研究所は、2012-2016年度に引き続き、グローバリゼーション・ダイナミズムのもとでグローバルに進行している社会経済的システム転換・文化変容の最も核となる経済グローバリゼーションの実態とシステム・サスティナビリティの問題を、とりわけグローバル金融危機・経済危機の衝撃による<グローバル成長連関>の変容と転換を中心として、理論的・実態的に解明し、持続可能なグローバルシステムを探求することを最大の目的とする。
この間顕著に進展した<グローバリゼーション>は、グローバル・ガバナンスおよび国民国家システム、国際通貨・金融システム、企業・労働、財政、福祉システム、新たな都市領域の発展と地域社会の変容、それに関連した社会・思想・文化変容を伴いながら、アメリカやEU、日本等の先進地域だけでなく、中国などBRICs諸国や「成長するアジア」など新興諸国の顕著な経済発展を促進するグローバルな経済成長の枠組みとして、いったんはアメリカ―新興国経済関係を最大の軸とする「グローバル成長連関」を出現させた。それは、同時に、資源制約や地球環境問題の深刻化や地政学的な政治軍事的危機を誘発してきたが、とりわけ2008年秋から深刻化したグローバル金融危機・経済危機を発現し、EU・ユーロゾーンの財政金融危機で「第二幕」に展開しながら、世界的な規模で、さらに経済、政治、社会システムの転換と社会・文化変容を加速し、むしろ世界的なシステム・サスティナビリティの問題をより深刻化している。本研究は、グローバル・レベル、各国・地域、ローカルコミュニティ・レベルの多層にわたって、理論的・思想的パラダイム転換の問題もあわせて総合的・学際的に、実態・理論両面からその実像を解明し、地域再生・環境と両立しうるグローバルな規模での持続可能な政治・経済・社会システムの創出と、そのための具体的な方策と基本指針を明らかにすることを目指す。
本研究所は、そうした課題に対し、平成24年度末を以て解消された法政大学サステイナビリティ研究教育機構の「総合研究プロジェクト」(「グローバリゼーションによる社会経済システム・文化変容とサステイナビリティの総合研究」の構想と課題および研究機構の基本モチーフを継承した過去5年間の研究成果と知見を基盤として、とりわけ以下の点を最大の焦点として研究する。
第1に、グローバル金融危機とその実体経済的影響による<グローバル成長連関>の転換と変容を、アメリカおよび新興経済の経済組織や経済発展構造の変容と転換と相互関係の変容の研究をより深化、発展させる。とりわけ、(1)これまでのアメリカ経済の成長の軸となった<グローバル成長連関>の現状と転換という問題を中心に、①金融実態と制度改革の展望、②国内産業再生の問題を含む産業企業動向、③「グローバル・シティ」の変容と転換の実態、④連邦財政の実状と再建という4点を焦点として解明する。とくに「トランプ現象」の背景となっているアメリカの社会経済的分断の実態の解明と、トランプ政権の下での非伝統的政策と「反グローバリズム」的対外戦略のインパクトについて精査する。また、その影響を含め、(2)新興経済地域に関し、大きく限界が顕在化している中国経済を焦点とし、ブラジル、ロシア、インドの実態研究を進める。その他アジア(ASEAN等)、中南米諸国(メキシコ、アルゼンチン、チリ等)は、地域経済統合・連携の実態と課題・問題点を引き続き解明する。
第2に、こうした従来からの研究の継続と強化に加え、以下2点を重点分野に加え、グローバル・システム・サステイナビリティ問題の解明に取り組む。(1)国民国家の統治機構と国民経済的統合という近代国民国家フレームワークを超えた経済社会・生活空間とそのガバナンス(統治とその装置)の独自空間の創出の可能性を持つ(David Harvey)ヨーロッパ・EUシステムの現状とその問題点の解明をすすめる。(2)東日本大震災・津波被災、福島原発危機で大きく顕在化した地方の社会経済の疲弊の問題に対し、グローバル・シティ「東京」とさらにグローバルな連関(とりわけタイおよびアジア)との関連で地域の歴史基盤をベースとした社会経済的再生について、すでに2015年度から開始した利根・沼田地方の研究を継続し、強化する。資金的裏付けとしては、文部科学省科学研究費補助金基盤研究(A)「海外学術研究、2017年度-2020年度を申請済みである。
以上の研究課題と設置目的を達成するため、本研究所は研究員による分担研究・緊密な共同研究を核とし、学内外、国外研究者研究機関とのネットワークを糾合して、ワークショップ・研究会・セミナーを機動的に組織して課題研究の遂行を図るとともに、本研究所の研究を通じて得られる知見と研究成果は、逐次Web公開するとともに、論文、ディスカッションペーパーや単行書など刊行企画を推進して公表する。あわせて、公開セミナー、シンポジウム等を通じ研究成果を広く公開し、またマスメディア等を通じて、広く社会に発信を図り、各種研究活動・研究成果の共有を図る情報センターの機能を果たす。
研究員
馬場 敏幸 経済学部教授
朴 チョンヒョン 経済学部教授
近藤 章夫 経済学部教授
増田 正人 社会学部教授
特任研究員 川邊 安彦    法政大学経済学部兼任講師
設置期間 2017年4月1日~2022年3月31日
設置場所 経済学部 河村哲二研究室