法政大学大学院 フォトニックデバイスシミュレーション研究所               (研究は終了しています)

研究員等の職は、設立当時のもの

研究代表者 工学部教授 山内 潤治
主たる
研究分野
情報通信工学
研究概要 近年、光通信技術が目覚しく発展してきている。高速で大容量な通信を支えるためには、様々な機能をもった誘電体デバイスが必要となる。 例えば、現在実用化されている波長多重通信では、異なる波長を合波あるいは分波するデバイス(波長合分波器)が性能を決定するキーデバイスといえる。 通信容量の増加にともない、さらに高密度の波長多重通信方式の研究も盛んになってきている。この実現には、従来よりも精密に波長合分波器等のフォトニックデ バイスを設計、製作する必要がある。幸いなことに、誘電体加工・製造技術の向上は、各種高機能フォトニックデバイスに要求される微細加工を可能にしている。 したがって、製造コスト削減のために、あらかじめ、デバイスの特性を正確に解析・評価・設計する必要性が増してきている。
この目的には、シミュレーション技術が不可欠である。すでに、申請者らは、フォトニックデバイスのシミュレーション関して、種々の実績を上げてきている 。たとえば、誘電体導波路中の光波の伝わり方をシミュレートするビーム伝搬法に関しては、高速化、高精度化等の改良に成功してきている。具体的には、空間の きざみに対して4次精度を達成したスカラスキーム、エネルギー保存を考慮したパワー保存型スキーム、伝搬方向に屈折率変化が起きているモデルを取り扱える任 意形状対応スキーム、偏光の依存性を考慮したセミベクトルスキーム、偏光の結合を考慮したフルベクトル型スキームなどを開発した。
さらに、既存のビーム伝搬法では、反射波が取り扱えない欠点があったが、時間領域ビーム伝搬法を開発することで、この欠点を克服してきた。 加えて、これまでマイクロ波領域の手法であった、時間領域差分(FDTD)法のフォトニックデバイスへの適用に関しても、いち早く取り組み、光導波路において 特有な問題に対応できるよう、種々の改良を施してきている。例えば、現在広く利用されている、ビーム伝搬法とFDTD法との混成解析法は申請者が提唱した手法で ある。これらの実績にともない、内外の学会ならびに企業から招待講演に招かれる機会が増加している。また、フォトニックデバイスシミュレーションに関する技 術相談の件数も急増している。
このような背景のもとで、さらに、研究内容を高度なものに拡張すると同時に、対外的にこれまで蓄積してきた技術を教授する機会を設けるために、 フォトニックデバイスシミュレーションに関する特定課題研究所を設立する。
具体的な研究目標は下記の通りである。

(1) ビーム伝搬法の高精度・高速化
(2) 虚軸ビーム伝搬法の汎用化
(3) 任意境界に適合したFDTD法の開発
(4) アレイ導波路型波長合分波器の低損失化
(5) 多層膜波長フィルタの偏光無依存化
(6) Y分岐導波路の低損失設計法の確立
(7) フォトニックバンドギャップを利用した導波路応用の開拓
(8) 超高速シミュレーション技術の開発
研究員
中野 久松 工学部教授
堀端 康善 工学部教授
李 磊 工学部教授
柴山 純 工学部助手
特任研究員
薮 哲郎 大阪府立大学大学院工学研究科電気・情報系専攻
中 良弘 熊本大学大学院自然科学研究科
設置期間 2007年9月27日~2012年9月26日
設置場所 工学部電子情報学科山内研究室