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法政大学大学院 アーバンエアモビリティ研究所

2018年6月27日更新

研究代表者 理工学部教授 御法川 学
主たる研究分野 次世代の都市航空交通技術に関する調査・研究・開発
研究概要 21世紀の世界人口の爆発的な増加は,世界規模で都市化を加速し,自動車に代表されるパーソナルモビリティは電動化,IT化という革新とともにその普及は留まるところがない.しかしながら,大都市での平面的な道路インフラは限界に達し,都市の交通渋滞は深刻でこれによるエネルギー損失,時間価値の損失は膨大になっている.いっぽう,大都市では超々高層ビルの建設により,人々は数百メートルに及ぶ立体的な移動を余儀なく求められ,エレベータによる地表面からのアクセスは災害時も含めて極めて非効率なものとなっている.このような近未来都市の姿として,パーソナルエアモビリティ(立体的に空間を自由に行き来する乗り物)があるが,技術的な課題が多くなかなか実現に至っていない.空間移動する乗り物としては飛行機やヘリコプターがあるが,これらは障害物のない管制された上空を高速度で移動するように設計されており,そもそも前述のパーソナルな都市航空交通手段の要求にマッチしているとは言い難い.
さて近年,空撮や物資輸送等において急速な産業化が進んでいる無人飛行体(ドローン)は,複数の高出力電動小型プロペラ,高エネルギー密度バッテリー,MEMS技術による超小型姿勢制御センサ等により安定した垂直離着陸,浮上,飛行を実現し,IoTによる自動制御とともにその適用範囲を拡大している.そしてこのドローン技術を人員輸送サイズの乗り物に活用することで,パーソナルエアモビリティの実現可能性が見えてきた.これらはアーバンエアモビリティ(都市航空交通)と呼ばれ,エアタクシーなど次世代のパーソナルな移動手段として大きく注目されており,エアバス社など既存の航空機メーカーも含め大規模な先行投資が世界各地で始まっている.このアーバンエアモビリティが飛行する空間は,専らビルの谷間や家々の上空であり,従来の飛行機を対象とした航空法では対応できない乗り物であり,解決すべき課題が多い.しかしながら,アーバンエアモビリティは低騒音,ゼロエミッション,滑走路不要,操縦技術不要,交通インフラのないpoint to pointの高効率移動手段として,自動車,鉄道,船舶,航空機の次に現れた新しい乗り物のカテゴリーとして,交通,物流のパラダイムを刷新する可能性を秘めており,また経済的効果も計り知れないものがある.
こうしたアーバンエアモビリティを核とした次世代航空輸送の調査,研究,開発を目的として,本研究所を設立する.すなわち,従来航空機を含めた都市空間を飛行する乗り物における衝突回避を含めた高効率な運航システム,気象条件への対応,事故発生時の乗員ならびに地上への安全性,経済性を確保する機体諸元,モーターやバッテリー性能などについて,関連分野の研究者や関係省庁,および受益者である自治体や製造者との情報交換,知識共有の場とすることを目指す.また,アーバンエアモビリティのキーテクノロジーの1つである電動推進ユニットについては,新しい小型航空機カテゴリーであるLSA(Light Sport Aircraft)の電動化ならびに本邦へのカテゴリー導入を通じて,関係省庁や研究者と実践的に調査研究を進める.さらには,アーバンエアモビリティを活用した新たな交通,物流システムに関して,マーケティング分野からの実践的可能性を評価する.
本研究所による取り組みは,アーバンエアモビリティの実現可能性を評価展望するにとどまらず,昨今の航空機設計開発技術者不足,パイロット不足に対応する若手育成に大きく資するものであり,理工学部およびデザイン工学部の教育研究への貢献は大きい.また,本研究所で得られた知見や成果が次世代航空の法整備や環境醸成を導くこととなり,その社会的意義は大である.
研究員
小川 孔輔 イノベーション・マネジメント研究科 特任・任期付教授
田中 豊 デザイン工学部 教授

大学院

特任研究員

白井 一弘 株式会社JALエンジニアリング
水野 操 有限会社ニコラデザイン・アンド・テクノロジー
井上 保雄 株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング

HP

http://huam.ws.hosei.ac.jp/wp/
設置期間 2018年6月1日~2023年3月31日
設置場所 法政大学理工学部機械工学科 航空・機械音響研究室内